教育の仕事をしていると、よく出てくるのが、自己肯定感という言葉です。
『子どもたちの自己肯定感が低い子が多い』という言葉をよく聞きます。
そんな言葉を聞きながら、私自身も自己肯定感が低いって思っていました。
しかし、ある時、一人の先生から実は自己肯定感だけではなく、自己効力感や自己有用感を引き出すことも大切だということを聞いて、私自身についても大きな気づきがありました。
自己肯定感/自己効力感/自己有用感はどれが欠けてもダメだと思うのです。
だからこそ、この言葉の意味について考え、どうやって高めていくことができるかをお伝えしたいと思います。
自己肯定感/自己効力感/自己有用感の意味は?
まずは、それぞれの意味を確認します。
自己肯定感とは??
一番よく聞く、自己肯定感とは、
自分のあり方を積極的に評価できる感情、自らの価値や存在意義を肯定できる感情などを意味する語。 自己否定の感情と対をなす感情とされる。
というのが一般的な意味です。
ここで押さえておきたいのは、自分自身がここにいていい、自分には価値のある人間であると自分で思えることなのです。
なので、何もしなくても愛されるし、ただいるだけでいいと思える感情のことです。
自己効力感とは?
自己効力感 (じここうりょくかん)(self-efficacy) とは、自分がある状況において必要な行動をうまく遂行できるかという可能性の認知[1]。心理学で用いられる。
という意味です。
つまり、これは『自分はできる!』という気持ちを持てるということです。
例えば、人の前で話をする機会があったとして、結果がどうであれ、『うまく喋れた』と思える人は自己効力感が高く、反対に、『うまく喋れなかった』と思う人は自己効力感が低いのです。
何をやってもできると信じられる力のことです。
自己有用感とは?
つまり、自分が人に役にたっている!という感覚を人との関わりの中で感じること。
ただの存在としてというよりかは、家族の中や、クラスの中などの居場所で、自分が必要とされ、大切な存在であるとその人自身が感じることです。
私自身の経験・気づき
確かに昔は自己肯定感が低かった
周りの人からは、自己肯定感が高そうって思われていたのですが、学生時代などの私の気持ちは全然満たされておらず、
・自分が嫌いだった
・出来ない人間だと思っていた。
・鏡に他の人と一緒に映るのが嫌だった。(他の人と比べるも自分の顔が嫌い)
・ふわぁっと旅して消えたいと思っていたことがある。
などなど、ネガティブな気持ちにたくさん支配されていました。支配されていたからこそ、見せないように明るく振る舞っていました。
その結果、過呼吸を経験し、自分のココロを学ぶことになりました。
気持ちが沈んだり、めまいがしたり、食欲がないときには、自分のココロとカラダについて少しずつ考えてみてほしい
▲以前に書いた過呼吸の経験です。
心理学を学んでもなお自己肯定感が低いと思っていた
実は心理学を学んでもしばらく、私自身は自己肯定感が低いと思っていました。
しかし、今振り返ると心理学を学んだことで、自己分析をたくさんすることができ、自分の存在は多いに認められていたのです。
つまり、自己肯定感は格段に上がったのです。徐々に、自己肯定感が低いと思っていることに違和感を覚え出しました。
そんな時にブログ講座を行き、毎日ブログを書くことで自分自身の気持ちか大きく変わっていくことになります。
自己肯定感は高まったが、実は足りないのは自己効力感だった
ブログを書くはじめたことによる私の一番の気づきは、当時の自分に足りなかったのは、自己効力感だったのです。
私はそれなりに”勉強”はできていたし、考えるのは大好きだったし、それなりにセンスもあって、それなりになんでもできました。(とまわりの方から言ってもらえました。)
なのに、自分なんて全然できないんです。と人に言い続けていました。
それはおそらく、中学校のテストは450点以上じゃないと、ダメだったし,頑張ったことを素直に褒めてもらった記憶があまりなくて、自分はできないんだと思い続けていました。
また、自分がやりたいと思ったことを言うと否定されてきた記憶もあるから、自分がやりたいこと、決断したことに自信がでない。
特に仕事になると、周りの人に気を遣い、思うように動けない。結果、あまり何も残っていない(=私は何もできてない)気がしていました。
ブログを毎日書くことで自己効力感が高まった
そんな自分から抜け出したくて始めたブログ。
お金も出して、ブログの講座に通って、その時に出てきたワードが自己効力感。
自分はできると潜在意識に言い続けていたことと、ブログを毎日更新していくことで、できる自分が少しずつ積み重なってきた。
素晴らしい文章を書いたわけでもないのに、毎日積み重ねていることでできる自分の気持ちが出てきたのです。
これは、完璧しなきゃ!という気持ちがなくなり、まずは今できる一歩を踏み出していけるようになりました。
そうすると、自分は毎日できた!という気持ちが出てきて、自分はできるんだと思えるようになってきました。
実は自己効力感だけでなく、自己有用感も必要なんだよという先生の言葉
そんな時に、ある学校の先生から、自己肯定感ではだけでなく、自己有用感があることが必要になっているという話を聞いて、さらに納得しました。
学校で子どもたちを育む中で、子どもたちにつたえていることが、
・何か家のことを手伝っておうちの人に喜んでもらえた
・クラスの友達に何かを教えて喜んでもらえた
・道で困っている人を助けて喜んでもらえた
小さな一つ一つの自分が選んだ行動で、“ありがとう“ “助かった“と言ってもらえるのは最高に嬉しいコトバ。
私は子どもたちにかかわる時、自然と、その子に小さなお願いしてみたり,やりたいことをできる限り実現できる方法を考えている。
全部できなくても、ちょっとでもしてもらって、ありがとう!って場面を作る。
まさにこれが自己有用感を育むひとつなんだろうと思います。
結果として私が変化したこと
こんな気持ちの変化を経て、教育の世界でたくさん学ばせてもらいながら、特にファシリテーターマインドを学び自分の気持ちが変化しました。
・自分のことは嫌いではなくなり、むしろ自分ってすごいと思えるようになった。
・たくさん学んできて、行動できることが増えてきた
・鏡に映る自分が嫌いではなくなってきた
・ココにいられることが幸せだと思う
もちろん、仕事を始めたり、結婚したり、たくさん学んだりして、環境の変化はあったと思います。
この経過の間にも、常に向上できたわけではなく、仕事でも何度も心が折れて、うごけなくなることもありました。
ですが、この目に見えない、“自己肯定感“ “自己効力感“ “自己有用感“を知り、意識していくことで、少しずつ変化できますし、まわりの子どもたちにも意識して関わる大人がたくさん増えてほしいと思います。
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